ここでは、車が車検切れとなってしまう主な原因をご紹介しています。
車検切れに関連して知っておきたい知識もあわせてご紹介していますので、車をお持ちの方は改めて基本知識の確認にお役立てください。
車検切れの車で公道を走った場合、手痛い罰則が待ち受けています。くれぐれも、車検の「うっかり忘れ」がないようにしましょう。
目次
車検切れになる原因とは?
車検切れになる主な6つの原因を見てみましょう。
うっかり忘れ
車検切れとなる主な原因のひとつが「うっかり忘れ」です。仕事などで毎日が多忙で、車検のことを気にしていなかった方にありがちなミスです。
車に乗る機会が少ないために車検を忘れていた場合や、車検期限までまだ期間があると勘違いしていた場合、検査標章(車検ステッカー)に記載されている有効期限を見誤っていた場合なども、「うっかり忘れ」の一種と言えるでしょう。
また、車検の期限が近づくと一般的には、前回車検を受けた業者から車検の案内を知らせる営業的なDMが届きます。
ただし、転居などで住所が変わった場合や車検業者が倒産した場合には、DMが届きません。
いつもDMに頼って車検を受けていた方は、DMが届かないことで「うっかり忘れ」をする可能性があるでしょう。
税金の未納
車検を受けるためには、過去の自動車税種別割税・自動車重量税・自賠責保険料をすべて納めている必要があります。
これらのうち、いずれかが1円でも未納だった場合には車検を受けられないため、早めに完納しなければ車検切れとなる恐れがあります。
普通自動車の車検を受ける際、自動車税種別割税の納税証明書の提出は不要ですが、納税状況は電子的に管理されているため、未納があれば車検を受けられません。
また、軽自動車税は電子管理がされていないため、車検時には納税証明書の提出が必要です。
直近の税金を完納している自覚があるにもかかわらず、未納を理由に車検を断られた場合には、過去の税金を納めていない可能性があります。納付状況を都道府県などに確認してみてください。
車検直前の事故
事故を起こして自動車保険の保険金申請をした場合、保険金の額を正確に評価するため、アジャスターと呼ばれる専門家が事故の状況や車両の損傷具合などを確認することがあります。
アジャスターによる確認作業には一定の期間を要することがあるため、もし車検の直前期に事故を起こした場合、車を修理してもらう前に車検期限が到来してしまうこともあるでしょう。
すでに事故車両が車検工場に運ばれていれば、アジャスターによる確認作業の後、修理と同時に車検を受けることが可能です。
一方、事故車両が自宅敷地内にある状態で車検切れとなった場合には、自走以外の何らかの方法で車両を車検工場へと運ばなければなりません。
複数台の所有による勘違い
車を複数台所有している方の中には、それぞれの車の車検期限を勘違いしている方もいるようです。
車ごとに車検の有効期限を確認し、勘違いのないよう車を運転しましょう。
他人から借りた車が車検切れ
他人から借りた車が車検切れであることを知らず、公道を走行してしまう例もあるようです。
交通違反は、駐車違反などの一部の例を除き、基本的には車の「運転者」が罰則を受けることになります。車の「所有者」ではありません。
他人から車を借りる際には、車の「所有者」に対して車検状況を確認しておくことが大切です。
よく見られる例としては、夏休みなどに実家へ一時帰省した際、親兄弟が所有する車検切れの車を運転してしまうこと。特に車検への意識が薄い免許取り立ての方は要注意です。
車検切れはバレないという思い込み
車検切れの車を運転してもバレないだろうという思い込みから、車検時期であるにもかかわらず、あえて車を車検に出さない悪質な例も見られます。
車検に掛かる出費を抑えたい、という気持ちが背景にあるのでしょう。
詳しくは後述しますが、車検切れの車で公道を走行した場合、遅かれ早かれ高い確率でバレます。
バレた場合の罰則は大変重いため、くれぐれも車検切れの車で公道を走らないようにしましょう。
車検切れに気づいた時の対処法
車検切れに気づいた場合、慌ててその車を運転して車検工場へ運んではいけません。車検切れの車は公道を走行できないため、車検工場へ運ぶためには自走以外の手段を考える必要があります。
車検切れに気づいた時の主な対処法を5点ほど見てみましょう。
仮ナンバーを取得して車検工場へ運ぶ
市区町村で仮ナンバーを取得すれば、車検切れの車を車検工場へ運ぶことが可能です。
仮ナンバーとは、車検切れの車を車検工場へ運ぶ際などに、一時的に公道を走ることを認めるナンバープレートのことです。
「市区町村で申請したルート以外に走行できない」「自賠責保険の有効期限内でなければ取得できない」「土日祝日を含めて5日以内に返却しなければならない」など、いくつかの条件はあるものの、それらの条件を守る限りは、車検切れの車を運転して車検工場へ運ぶことが可能です。
仮ナンバーで車を移動させる方法は、車検切れの車の移動において一般的です。
ただし、手続きに必要な複数の書類を準備することや、申請手続き・返却手続きを平日に行わなければならないことなどもあり、多忙な毎日を過ごしている方にとって意外にハードルの高い選択肢でもあります。
積載車に車を載せて車検工場へ運ぶ
仮ナンバーで車を移動させる時間や手間をとれない方は、業者に依頼して積載車とドライバーを手配し、車を車検工場まで運んでもらう方法を検討してみましょう。
積載車を運転できる免許をお持ちであれば、レンタカー会社から自分で積載車を借りて車検切れの車を移動させることも可能です。
また、業者に積載車を依頼した場合には、基本料金10,000~15,000円に加え、移動距離に応じた別途料金が掛かります。
多忙な方には重宝される方法ですが、車検代とあわせて一時的に大きな出費となることは避けられません。
なお、業者へ車の移動を依頼する際には誤ってレッカー車を手配しないよう注意しましょう。
レッカー車の場合、車検切れの車の後輪(または前輪)が公道に接してタイヤが回転するため、道路運送車両法違反に問われ、車検切れの車を運転した際と同じ罰則を受けることになります。
レッカー車ではなく積載車を依頼するようにしてください。
また、車の移動に関連してJAFのロードサービスを思い浮かべた方がいるかもしれませんが、JAFは故障車や事故車の移動に対応しているものの、原則として車検切れの車の移動には対応していません。
車検工場の引き取りサービスを利用する
車検工場の中には、車検切れの車の移動を含めた車検サービスを提供しているところもあります。車検切れの車の移動、車検の実施、希望の場所への納車をすべてまとめたセットプランです。
車検工場の引き取りサービスを利用すれば、仮ナンバーを取得する手間や時間もかからず、業者へ積載車を依頼する費用も掛かりません。
近隣に同様のサービスを提供している車検工場があれば、依頼を検討してみると良いでしょう。
車検に出さず買取や下取りに出す
仮に車検に出したとしても乗る機会が少ない場合や、車を買い換える予定がある場合などには、あえて車を車検へ出さずに中古車販売店へ買取を依頼したり、ディーラーへ下取りを依頼したりしても良いでしょう。
整備して車検に通せば乗れる車の場合、車検切れの状態のままでも通常は買取・下取りしてもらえます。
廃車にする
乗る予定のない車が車検切れとなった場合には、廃車を検討しても良いでしょう。
廃車手続きには「永久抹消登録」と「一時抹消登録」の2種類がありますが、まったく乗る予定のない車を廃車にする場合には、車をスクラップして永久抹消登録を行います。
また、長期海外赴任などで一時的に乗る予定がなくなった車の場合には、車を車庫に保管した状態で「一時抹消登録」を行います。
なお、廃車手続きをしない限りはたとえ車検切れの車であっても、毎年自動車税種別割という税金が掛かります。乗る予定のない車があれば、放置せずに廃車手続きをするようおすすめします。
車検切れにならないための対策
車検切れにならないための主な4つの対策を見てみましょう。
検査標章を確認する
車のフロントガラスに貼られている検査標章(車検シール、車検ステッカー)を確認します。
検査標章には車検の有効期間が記載されていますが、車の外側から見た場合には、有効期間の「年月」しか記載されていません。
「年月日」まで正確に知りたい場合には、車の内側から検査標章を確認してみましょう。
自動車検査証を確認する
前回受けた車検の自動車検査証(車検証)を確認すれば、次回の車検時期を正確に把握できます。
自動車検査証の左下のほうにある「有効期間の満了する日」という欄を確認してみてください。
「自動車検査証をどこにしまったか忘れた」という方がいるかもしれませんが、車を運転する際には自動車検査証を携帯する義務があるため、車内のどこかに収納しているはずです。
多くの方は、車のグローブボックス内に収納しているようです。グローブボックスとは、助手席の前方にある収納スペースのことです。
自動車検査証の所在が分からなくなった場合には確認してみてください。
自賠責保険証を確認する
一般的に、車検を受ける際には次回の車検時期まで有効な自賠責保険に加入するものです。そのため、自賠責保険の保険証を確認すれば、次回の車検時期の目安を判断できます。
ちなみに自賠責保険の有効期限は、車検の有効期限の1か月先に設定されている例が多く見られます。
ただし、何らかの事情によって双方の有効期限が大きく離れている可能性もあるため、自賠責保険証の有効期限は参考程度にしておいたほうが良いでしょう。
前回車検を受けた業者に確認する
前回車検を受けた業者に問い合わせれば、次の車検時期を教えてくれる可能性があります。
もとより、車の所有者から問い合わせなくても、車検業者のほうから営業目的で「車検の時期が近づいています」という旨のDMが届くことも少なくありません。
ただし、その車検業者が倒産してしまっている場合や、営業活動に漏れがあった場合などには、DMが届かない可能性もあります。「必ず業者から案内があるはずだ」と頼りきらないようにしましょう。
車検切れの車で公道を走った時の罰則
車を車検切れにしてしまったとしても、それだけの理由で罰則を受けることはありません。罰則を受けるのは、車検切れの車で「公道を走った場合」です。
以下、車検切れの車で公道を走った時の罰則を確認してみましょう。
車検切れの車で公道を走った時の罰則
車検切れの車で公道を走った場合には、道路運送車両法違反として一定の罰則を受けることになります。具体的な罰則内容は次のとおりです。
【行政処分】
- 違反点数6点(前歴がない場合)
- 免停日数30日間
【刑事処分】
- 6か月以下の懲役、または30万円以下の罰金
どの処分も厳しい内容ですが、とりわけ「一発免停30日」は、車で通勤している方や仕事で車を運転する方などには、非常に重い処分となるでしょう。
自賠責保険切れの車で公道を走った時の罰則
車検は有効期限内であるにもかかわらず、自賠責保険が有効期限を過ぎた車で公道を走った場合には、自動車損害賠償保障法違反として次のような罰則が科されることとなります。
【行政処分】
- 違反点数6点(前歴がない場合)
- 免停日数30日間
【刑事処分】
- 1年以下の懲役、または50万円以下の罰金
行政処分の内容は車検切れの場合と同様ですが、刑事処分の内容は車検切れよりも重くなっています。
車検と自賠責保険の両方が切れた車で公道を走った時の罰則
多くの場合、自賠責保険の有効期限は車検の有効期限の1か月先に設定されています。そのため、車検切れに気づくのが遅かった場合には、すでに自賠責保険も切れている可能性が高いです。
もし車検と自賠責保険の両方が切れた車で公道を走った場合には、道路運送車両法違反と自動車損害賠償保障法違反の両方に問われ、次のような罰則を科されることになります。
【行政処分】
- 違反点数6点(前歴がない場合)
- 免許停止90日
【刑事処分】
- 1年6ヵ月以下の懲役または80万円以下の罰金
免停日数と刑事処分がかなり重い内容となります。
※法令に関する詳細は最新の情報をご確認ください。
そもそも車検切れはバレるのか?
車が車検切れであること自体は、車検が切れた時点で運輸支局などにバレています。ただしバレたとしても、それだけで罰せられることはありません。罰せられるのは、車検切れの車で公道を走った時です。
このことから、中には「車検切れの車で公道を走っても、簡単にはバレないから大丈夫」と考える方がいるかもしれません。しかし、車検切れの車で公道を走った場合、遅かれ早かれ高い確率でバレます。
バレる主な理由を見てみましょう。
バレる理由1:フロントガラスの検査標章
車のフロントガラスには、車検期限の「年月」が記載された検査標章(車検ステッカー、車検シール)が貼られています。
検査標章を貼らずに公道を走行することは違法です。また、当然ですが偽造した検査標章を貼って公道を走行することも違法です。
必ず正規の検査標章をフロントガラスへ貼った状態で公道を走行しなければなりません。
もし検査標章の期限が切れていれば、一般市民から警察へ通報される可能性があるでしょう。
バレる理由2:ナンバー読み取り装置「Nシステム」
1987年以降、全国の多くの場所に「Nシステム」という装置が設置されるようになりました。
Nシステムの主な目的は犯罪の初期操作支援ですが、車両のナンバーを瞬時に見分けられる機能を持つことから、無車検車の摘発にも積極的に利用されています。
2018年からは、移設が可能な可搬式Nシステムも登場したため、無車検車の取締りは一層強化・効率化されました。
Nシステムで読み取られたナンバーは、瞬時にMOTAS(全国の登録車の情報が集約されているシステム)と照合されるため、無車検車の発見は容易です。
その走行ルートの延長上に警察官が待機し、車の停止を求めて車検切れとして摘発します。
バレる理由3:業者からの通報
国土交通省では、車検切れや自賠責保険切れの車の摘発に関し、カー用品店やガソリンスタンド、車検工場などに協力を要請しています。
もし、これらの業者に持ち込まれた車の車検が切れていた場合には、業者から通報する流れとなっています。
業者側で車検切れの車を発見したにもかかわらず、通報しなかった場合は犯人隠匿に問われる可能性もあることから、業者自身の身を守るためにも通報せざるを得ません。
バレる理由4:交通違反・交通事故
交通違反の際にはもちろんですが、交通事故を起こした際にも、必ず警察官が立ち会って各種の状況を調査する形となります。
この調査の際、車検の状況も確認されるため、もし車検切れであれば、その場で摘発されることになります。
交通違反と車検切れが重なれば、かなり厳しい罰則になる可能性があるでしょう。
【まとめ】車検切れになる原因を確認しておこう
車検切れの主な原因と車検切れの関連事項についてご紹介しました。
車検が切れた車で公道を走行できないことは、車の運転免許をお持ちの方であれば、誰でも知っていることです。
日常的に車を使用する方は、くれぐれも車検切れのないよう注意しなければなりません。
車検切れを防ぐためには、車検切れの原因を知っておくことが大事です。
- うっかり忘れ
- 税金の未納
- 車検直前の事故
- 複数台の所有による勘違い
- 他人から借りた車が車検切れ
- 車検切れはバレないという思い込み
以上の6点が車検切れとなる主な原因です。改めて注意しましょう。
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面倒な仮ナンバーの手配などもお客様にしていただく必要はありません。
万一、故障などで自走できないお車の場合には、積載車(有料)で引き取りに伺います。
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