車検切れの車を車検場まで運ぶ手段として、一部の方はJAFへの依頼を思い浮かべるかもしれません。
ところが、結論からいうと、JAFは車検切れの車に対するロードサービスをしていません。
車検切れの車を車検場まで運ぶためには、JAFのロードサービスとは異なる方法を考える必要があります。
目次
JAFは車検切れの車を運んでくれない
JAFのロードサービスでは、原則として車検切れの車を運びません。
たとえJAFに加入している会員だったとしても、車検場までJAFに車検切れの車を移動してもらうことはできません。
ただし、例外として「放置すると交通の円滑を阻害するやむを得ない事情がある場合は、自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)の期間内であればこの限りではありません」との説明がJAFの公式ホームページにあります。
具体的には、公道に放置されていることで円滑な交通状態を妨げている車検切れの車については、その車が自賠責保険の有効期限内である場合に限り、例外的にJAFが移動するということでしょう。
一般的に、車検切れの車は公道ではなく私有地に置かれている例が多いため、大半の車検切れの車は、この例外規定に該当しません。
つまり、ほとんどの車検切れの車は、JAFでは運んでくれないと理解しておいたほうが良いでしょう。
なお、JAFでは車検切れの車だけではなく、自賠責保険切れの車や違法改造社、ナンバープレートのない車などもロードサービスの対象外としています。
JAFが運んでくれないなら、どうやって運ぶか?
車検切れの車をJAFが車検場まで運んでくれない以上、別の方法で車を運ぶ必要があります。
いくつかの方法がありますが、一般的には次の方法のいずれかを選ぶ形になるでしょう。
仮ナンバーを取得して自分で運ぶ
自治体の窓口で仮ナンバーを発行してもらい、一時的に公道を走行できる状態にして自分で車検場まで車を運びます。
車検切れの車でも公道を走れるようになる仮ナンバーですが、申請に際しては、自賠責保険に加入していることが前提となる点に注意が必要です。
往々にして、車検切れの車は自賠責保険も切れていることも多いため、もし自賠責保険が切れていれば、仮ナンバーの申請に先立って再契約しておく必要があります。
積載車に積んで自分で運ぶ
レンタカー会社から積載車を借りて、自分で車検切れの車を積んで車検場まで運ぶという方法があります。
ただし積載車を運転するためには、準中型免許を取得していなければなりません。2017年3月11日までに普通免許を取得していれば、2023年時点では準中型(5t)免許となっています。
ご自身の運転免許証を確認してみましょう。
業者に依頼して積載車で運んでもらう
業者に依頼し、積載車で車検場まで運んでもらう方法もあります。
積載車で運んでもらう際の費用相場は、基本料金が10,000~15,000円ほどに加え、走行距離1kmにつき700~800円ほど。
レンタカーに比べて費用は高くなりますが、自分で運ぶ手間が省けるというメリットもあります。
なお、業者に依頼する際にはレッカー車ではなく積載車を指定しましょう。
レッカー車で車検切れの車を運ぶ場合、車の後輪が公道に接する形となるため、道路運送車両法違反になる恐れがあるからです。
車検工場の引き取りサービスで運んでもらう
車検切れの車を自宅まで引き取りに来てくれる車検工場もあります。
もちろん、その車検工場で再車検を受けることが条件となりますが、自宅までの引き取り料や再車検後の自宅までの引き渡し料、代車貸し出し料などをすべて無料としている車検工場もあるので、少しでも低コストで再車検を受けたい方は要チェックです。
こっそり自分で運んでしまうとどうなるか?
仮ナンバーや積載車などを手配するのは面倒ですが、面倒と感じた方の中には「こっそり車検切れのまま自分で運んでしまってもいいのでは?」と考える方がいるかもしれません。
特に、いつも依頼している車検工場が近所にある場合には、そのような出来心が生じてしまう可能性があります。
結論からいうと、絶対に車検切れの車で公道に出てはいけません。もし車検切れの車で公道を走行すると、次のような罰則を受けることになります。
車検切れの罰則
- 違反点数6点(前歴がない場合)
- 免停日数30日間(前歴がない場合)
- 6か月以下の懲役、または30万円以下の罰金
前歴が1回ある場合には免停日数が90日に延長され、前歴が2回ある場合には免許取り消しとなります。
参考までに、自賠責保険切れの車で公道を走行した際の罰則も見てみましょう。
自賠責保険切れの罰則
- 違反点数6点(前歴がない場合)
- 免停日数30日間(前歴がない場合)
- 1年以下の懲役、または50万円以下の罰金
刑事処分(懲役・罰金)の内容は、車検切れの場合よりも重くなります。
また、往々にして車検切れの車は自賠責保険も切れている例が多いのですが、もし車検と自賠責の両方が同時に切れている場合には、さらに重い罰則が科されることになります。
車検切れ及び自賠責保険切れの罰則
- 違反点数6点(前歴がない場合)
- 免停日数90日(前歴がない場合)
- 1年6ヵ月以下の懲役、または80万円以下の罰金
前歴がある場合には、実刑判決を受けて刑務所で服役する可能性があります。
そもそも、こっそり自分で運んだことがバレるのか?
たとえ車検切れの車で公道を走ったとしても、理屈の上では「バレなければ捕まらない」ということになります。
公道では日々多くの車が走行しているため、「たぶん見つからないだろう」と考える方がいるかもしれません。
ですが、この考え方は誤っています。もし車検切れの車で公道を走れば、高い確率で「バレる」と考えておいたほうが良いでしょう。
バレる主な理由を見てみます。
車関係の仕事の人から通報される
国土交通省では、ガソリンスタンドや車検工場、カー用品店などの協力を仰ぎ、もし車検切れの車が来店した場合には通報するよう指導しています。
車検切れの車でも大事なお客さんではありますが、通報しなかった場合、お店は犯人隠匿の罪に問われる可能性があることから通報せざるを得ません。
車検ステッカーを見た人から通報される
車のフロントガラスには、車検の有効期限(年月)を示す車検ステッカー(検査標章)が貼られていますが、素人が他人の車検ステッカーをチェックすることは、ほとんどないでしょう。
一方で普段から車関係の仕事をしている方や元・警察関係の方などは、無意識に車検ステッカーをチェックするクセが付いています。
車検ステッカーを見て目の前に車検切れの車があることを知ったら、通報することになるでしょう。
国土交通省の「Nシステム」で発見される
国土交通省では、全国の数千か所に「Nシステム」という装置を取り付けています。
Nシステムとは、公道を走行している車のナンバーを識別する装置のことです。
Nシステムで識別されたナンバーは、すぐにMOTAS(車の登録状況を集約したシステム)へ送信され、何らかの違反車両でないかどうかが自動判別されます。
もしNシステムで車検切れがバレた場合、車の走行ルートの延長上で待機している警察官から車の状況を調べられます。
交通違反を起こして警察に発見される
スピード違反や一時停止違反などで警察官に車両を止めるよう要求された場合、必ず警察官はその車の登録状況を確認します。
車検切れであれば、その場でバレることになります。
再車検を受けるなら車検工場の引き取りサービスが合理的
JAFは、原則として車検切れの車を運んでくれません。「会員なら大丈夫では?」と思う方がいるかもしれませんが、会員か非会員かを問わずJAFの対応は同じです。
ですので、車を車検工場に運ぶ別の手段を考えなければなりませんが、現実的な手段が仮ナンバー・積載車・車検工場の引き取りサービスの3つです。
これら3つの手段のうち、仮ナンバーは申請手続きにやや手間がかかる上、自賠責保険に未加入の状態では申請できないというデメリットがあります。
また、積載車はわずかな移動距離でも1万~2万円ほどの費用が掛かる点はデメリットです。
一方で一部の車検工場が行っている引き取りサービスを利用すれば、業者にもよりますが、引き取りサービス・代車・引き渡しまですべて無料です。
オーナーの手間もほとんどかからないため、選択肢としては非常に合理的です。
お住まいのエリアの近くに引き取りサービスを無料で行っている車検工場があれば、ぜひ利用を検討してみてはいかがでしょうか。
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万一、故障などで自走できないお車の場合には、積載車(有料)で引き取りに伺います。
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