「車検切れしているけど、近場の工場までだったら運転してもばれないだろう」と思っている方がいるなら、その考えを改めましょう。
車検切れの車で公道を走行すると、高い確率でばれます。車検切れの車を車検に出す際には、法令に反しない方法で適切に車を車検工場まで運ぶようにしましょう。
ここでは、車検切れの車で公道を走行したことがばれる理由、ばれた時の罰則、免停講習の内容、車検切れ時の対処法、仮ナンバーの申請の流れなどについて詳しく解説します。
目次
車検切れであることがばれるケース
車検切れの車で公道を走行したとしても、100%の確率でばれるというわけではありません。
ただし次に挙げる理由により、車検切れしている車は、遅かれ早かれ高い確率でばれると考えておいたほうが良いでしょう。
車のフロントガラスの車検ステッカーを見られて通報される
ご存知の通り、車のフロントガラスには、車検の満了「年月」を記載した車検ステッカーが貼られています。
車検ステッカーを剥がして公道を走行することは法令違反となるため、必ず貼付しておかなければなりません。
コンビニ等に駐車している際、一般の人が車検ステッカーから車検切れであることを発見し、警察に通報する可能性があります。
ナンバー読取装置「Nシステム」で車検切れが発見される
国土交通省では、無車検車の取り締まり強化策の一貫として、全国の多くの場所にナンバー読み取り装置「Nシステム」の設置を加速させています。
1,500か所以上には設置されていると言われていますが、その実数は定かでなく、より多くの数が設置されているとも言われています。
「Nシステム」で読み取られたナンバーは、瞬時にMOTAS(全国の登録車の情報が集約されているシステム)で照合されるため、車検切れの車かどうかが即判明。
走行ルートの延長上で待機している警察官から、車の停止を求められて御用になります。
ガソリンスタンドや整備工場から通報される
国土交通省では、車検切れや自賠責保険切れの車に対する摘発に関し、ガソリンスタンドやカー用品店などの民間業者と連携を図っています。
車関連の仕事をしている人は、日常的に車検ステッカーを見てしまうクセがあるため、車検切れの車をすぐに発見できます。
警察に通報しなければ犯人隠匿に問われる可能性もあるため、車検切れの車を発見したら警察に通報せざるを得ないのです。
交通違反・交通事故・車両故障をきっかけにばれる
交通違反や交通事故を起こした際、警察官は車検の状況についても確認するため、もし車検切れであれば、その場で摘発されます。
交通違反と車検切れが重複して摘発される形となるため、罰則は非常に重い内容となるでしょう。
また、整備工場や板金会社などに修理を依頼した際、その車が車検切れであれば、業者から警察に通報されます。
駐車違反取り締まりスタッフから通報される
今後は、民間に委託されている駐車違反取り締まりスタッフも、車検切れ車両の摘発に協力を要請される可能性が高いと言われています。
たとえ駐車違反の取り締まりが本業であったとしても、車検切れの車を見つけて「見て見ぬふり」をするわけにはいきません。すでに自発的に摘発へ協力している可能性があります。
車検切れがばれた際の罰則等
車検切れがばれた時の行政処分と刑事処分
車検切れの車で公道を走行したことがばれた場合、次のような罰則が科されることになります。
- 行政処分:違反点数6点(前歴がない場合)・30日間の免許停止
- 刑事処分:6か月以下の懲役または30万円以下の罰金
また、車検切れの車は自賠責保険も切れていることが少なくありませんので、もし自賠責保険も同時に切れていたことがばれた場合、更に罰則が重くなります。
- 行政処分:違反点数6点(前歴がない場合)・90日間の免許停止
- 刑事処分:1年半以下の懲役または80万円以下の罰金
取り締まり以降の流れ
出頭要請通知書が届く
車検切れの取り締まりから数週間~1か月ほどで、違反者に出頭要請通知書が郵送されます。
事情聴取を受けて免停処分が決定する
出頭要請通知書には出頭日時が記載されていますので、指定された出頭日時に指定された場所へ出頭し、無車検車走行に関する事情聴取を受けます。
あわせて免許停止処分など罰則が決定します。
免停講習(免許停止処分者講習)を受ける(任意)
出頭要請に出席した当日、任意で免停講習(免許停止処分者講習)を受けることができます。
講習後の試験結果によっては、免停期間を大幅に短縮できる可能性があります(詳細は後述)。
免許証の返還を受ける
免停期間の終了後、住所地を管轄する警察署で免許証の返還を受けます。
免停講習を受けると免停期間が短縮される
上で説明した通り、車検切れの車で公道を走行したことがばれた場合には、一発で30日間の免許停止処分が科されます。
とりわけ車を使う職種の方にとっては極めて重い処分となりますが、この免停処分を軽減させる方法があります。それが「免停講習」の受講です。
以下、免停講習の概要を確認しておきましょう。
免停講習とは
免停講習とは、免停処分を受けた方に対して行われる特別な講習を言います。出頭要請に応じる形で受講できる講習ですが、参加は任意ですので、受講しなくても罰則が科されるわけではありません。
ただし免停講習の受講態度や受講後の筆記試験の結果に応じ、免停期間が大幅に短縮される可能性があります。万が一車検切れで免停処分となった場合には、ぜひ免停講習を受けるようおすすめします。
免停講習の内容
交通ルールに関する講義、シミュレータを用いた定性検査、実車講習などの後、筆記試験を受ける流れとなります。
免停講習に必要な持ち物は、運転免許証停止処分書、受講申請書、印鑑、筆記用具、講習料金などです。
講習の受講態度や試験結果などをもとに、上から順に「優」「良」「可」「不可」の4段階の評価が行われます。
免停講習を受けて短縮される免停の日数
評価が「優」の場合は29日、「良」の場合は25日、「可」の場合は20日短縮されます。「不可」の場合は短縮されません。
車検切れがばれた際の免停期間は30日ですが、もし免停講習を受けて評価が「優」だった場合、免停期間はわずか1日で済む形になります。
車検切れに気づいた時の対処法
まだ使用する予定のある車であれば、車検切れに気づいたらすぐに再車検を受ける手配をすべきでしょう。
逆に、もし使用するかどうか分からない車であれば、別の対処法も選択肢となります。
車検切れに気づいた時の主な対処法を見てみましょう。
車検工場やディーラーに相談する
まずは、なじみの車検工場やディーラーに相談してみましょう。
車の所有者の状況や車両の状況などに応じ、再車検をはじめとした最善の策を検討してくれるはずです。
仮ナンバーを取得してから再車検に出す
市区町村役場で仮ナンバーを取得し、自分で車を車検工場まで移動させて再車検を受けます。また、積載車で車を車検工場まで運んで再車検を受ける方法もあります。
仮ナンバーの詳細は後述します。
廃車にする
乗る予定のない車なら、廃車にしてしまっても良いでしょう。
車をスクラップして陸運局で「永久抹消登録」(永久的な廃車手続き)の手続きをすれば、以後は車検切れを心配する必要がありません。
中古車買取店に買い取ってもらう
車検切れの車であっても、まだ走行可能な状態でしたら、中古車買取店が買い取ってくれる場合があります。
現状は走行不能でも、修理して走行できる可能性がある車なら、お店によっては買い取ってくれる場合もあります。
たとえ二束三文の買取金額にしかならなかったとしても、数万円のスクラップ代などがかかることを考えれば、廃車にするよりも合理的な選択肢です。
仮ナンバーを取得して再車検を受ける方法について
車検切れに気づいた際の選択肢として、仮ナンバーを取得して再車検を受ける方法を選ぶほうが少なくありません。
仮ナンバー取得の流れ、申請に必要な書類、仮ナンバーの注意点などについて確認しておきましょう。
仮ナンバー取得の流れ
自賠責保険の加入状況を確認する
仮ナンバーの申請書類には、加入中の自賠責保険証の原本が含まれています。
そのため、自賠責保険が切れている場合には、先に加入手続きを済ませておく必要があります。
市区町村の窓口で仮ナンバーの申請をする
市区町村役場の窓口で必要書類を提出し、仮ナンバー交付の申請をします。
車を保管している場所の役場、車検場のある場所の役場、その途中にある場所の役場、いずれの窓口でも申請が可能です。
仮ナンバーが交付される
申請に問題がなければ、その場で仮ナンバーが交付されます。
仮ナンバー申請に必要な書類
仮ナンバーの申請に必要な書類は次の通りです。
- 自動車検査証(車検証)
- 運転免許証
- 自賠責保険証の原本(仮ナンバーの取得後1か月以上有効なもの)
- 認印
- 手数料(1車両につき750~1,000円程度)
- 自動車臨時運行許可申請書(市区町村の窓口で入手)
二度手間にならないよう、漏れなく書類を整えて役場まで持参しましょう。
仮ナンバーを利用する際の注意点
仮ナンバーを利用する際の最大の注意点は、役場で申請したルート以外に走行できないことです。
渋滞を理由に迂回したり、喉が乾いたことを理由にコンビニへ立ち寄ったりもできません。車検工場へ向かうことのみが許可されます。
また、仮ナンバーを付けて公道を走行する際には、役場で交付された「臨時運行許可証」を外部から視認できる場所に置くという決まりがあります。
外気やエアコンの風で飛ばされないよう、ダッシュボードにセロテープで貼り付けておくと良いでしょう。
仮ナンバーの有効期限が5日間である点にも要注意です(日数は市区町村によって異なることがあります)。
この5日間には土日祝日も含まれますが、土日祝日は役場の窓口が閉鎖されてしまいます。車検工場に車を運ぶ日や仮ナンバーを返却する日を綿密にスケジューリングしておく必要があるのです。
例えば土・日・月が3連休の場合、木曜日に取得した仮ナンバーは翌日の金曜日が返却期限となります。
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万一、故障などで自走できないお車の場合には、積載車(有料)で引き取りに伺います。
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