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更新日: 2023.7.28

車検切れの車の車検方法、通常の車検と違う点はあるの?

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車検切れの車と車検が切れていない普通の車とでは、車を車検工場まで運ぶ手段が異なります。車検切れの車は公道を走行できないため、何らかの合法的な方法を選択して車を車検工場まで運ばなければなりません。

 

ここでは、車検切れの車を車検工場まで運ぶ方法、車検切れの車で公道を走行した場合の罰則、車検切れの車で事故を起こした場合のリスクなどについて詳しく解説します。

 

車検切れの車を車検工場まで移動させる方法

車検切れの車でも車検が切れていない車でも、車検そのものは同じ内容です。

ただし、車検切れの車は公道を走行できないことから、車検工場まで車を運ぶ手段を検討しなければなりません。

一般的には、「仮ナンバーを取得する」「積載車で車を運ぶ」「車検業者の引取サービスを利用する」の3つの方法の中から車の移動方法を選ぶことになるでしょう。

 

仮ナンバーを取得して自分で車を移動させる

市区町村の役場で仮ナンバーを取得すれば、車検切れの車でも公道を走行できることになります。

 

ただし走行できる公道は、車の保管場所から車検工場までの最短距離のみ。

なおかつ、仮ナンバーの取得時に申請した走行ルート以外を走ることはできません。

 

積載車に積んで車を運ぶ

車を積載車に積んで車検工場まで運ぶ方法もあります。

積載車を運転できる免許があればレンタカーを借りて自分で車を運ぶこともできますが、該当する免許がなければ、業者に依頼して積載車で運んでもらう形になるでしょう。

 

なお、レッカー車の場合には、車検切れの車の前輪または後輪が公道へ接する状態になるため、道路運送車両法違反になる可能性がある点に要注意。レッカー車ではなく積載車で運んだほうが無難です。

 

車検工場の引取サービスを利用する

民間の自動車整備工場(認証工場)などの中には、車検切れの車を自社の工場まで運んでくれるサービス(引取サービス)を行っているところもあります。

 

引取サービス料を無料にしている業者も少なくないので、少しでもコストを抑えて車検を受けたい方にとって、検討しておきたい選択肢の1つになるでしょう。

 

仮ナンバーの申請に必要な書類と費用

車検切れの車の再車検を受けるにあたり、仮ナンバーを取得して自分で運転して車検工場まで車を運ぶ方は少なくありません。

 

仮ナンバーの申請に必要な書類は次の通りです。

 

  • 自動車検査証(車検証)
  • 運転免許証
  • 自賠責保険証の原本(仮ナンバーの取得から1か月以上有効なもの)
  • 認印
  • 自動車臨時運行許可申請書(役場の窓口で入手)

 

注意したい点は、「自賠責保険証の原本」です。仮ナンバーとは言え、公道を走行する以上は自賠責保険に加入している必要があります。

車検切れの車は自賠責保険も一緒に切れている可能性が高いです。そのため、仮ナンバーの申請の際には自賠責保険の加入状況を確認し、もし有効期限が切れていたならば、再加入する手続きをしてから仮ナンバーの申請をしましょう。

 

なお、仮ナンバーの申請にかかる手数料は、1車両につき750~1,000円程度となります(地域によって異なります)。

 

再車検に必要な書類と費用

再車検を受ける際に必要な書類や費用について確認しておきましょう。

 

  • 有効期限の切れた自動車検査証(車検証)
  • 自賠責保険証
  • 自動車税納税証明書

 

再車検を受ける際にも自賠責保険に加入している必要がある点に注意しましょう。

 

また、再車検を受けるためには、次のような費用がかかります。

法定費用

法定費用とは、「自動車重量税」「自賠責保険」「印紙代」の3種類を言います。車検を受ける際、毎回必ずかかる費用です。

 

国が定めた一律の料金となるため、全国どこで車検を受けても、車両が同じであれば料金も同じになります。

 

点検・整備にかかる費用

車両を良好な状態にしておかなければ車検に不合格となる可能性があるため、通常は車検を受ける前に、整備工場等で点検・整備を受ける形となります。

 

点検・整備費用は、整備工場等が任意で決めます。

そのため、同じ点検・整備でも業者によって料金が異なることを理解しておきましょう。

 

車検工場へ車を運ぶための費用

仮ナンバーを取得して車検工場へ車を運ぶ場合には、申請手数料が750~1,000円ほどかかります。

また、業者に依頼して積載車で車を運ぶ場合には、基本料金10,000~15,000円に加え、1kmあたり700~800円ほどの料金が加算される形となります。

 

なお、上述した車検工場の引取サービスを利用する場合には、業者によって車の運搬費用がかからないこともあります。

 

車検切れの車で事故を起こした場合のリスク

車検切れの車は、言い換えれば「良好な状態の走行が保証されていない車」です。通常の車に比べて故障等が発生する可能性は高く、もし走行中に故障した場合には、思わぬ交通事故へとつながる危険性もあります。

 

もし車検切れの車で交通事故を起こした場合には、次のような状況になる恐れがあります。

 

車検切れの車は自賠責保険も切れている可能性がある

車検と自賠責保険の有効期限は、多くの場合、近い日付で設定されています(車検が切れる1か月後に自賠責保険が切れる、など)。

そのため、車検切れからしばらくたった車は、同時に自賠責保険も切れている可能性が高いと思われます。もし自賠責保険が切れた車で交通事故を起こした場合には、当然ながら補償は下りません。

 

仮に任意保険(民間の自動車保険)が有効期限内でも、あくまでも任意保険は「自賠責保険の補償分を超過する部分」を補償する保険だと理解しておく必要があります。

すなわち、本来自賠責保険で補償される金額は、自腹で用意しなければならないということです(他人を事故で死亡させてしまった場合は3000万円)。

 

任意保険の「自分の被害への補償」を受けられない可能性がある

任意保険には、搭乗者賠償保険や人身傷害保険、車両保険などのように「自分の被害への補償」を設定できます。

 

ただし、もし車検切れの車で交通事故を起こした場合には、保険会社から「重大な過失」と認定され、補償を受けられなくなる可能性があります。

 

悪質な条件が重なれば逮捕されることもある

車検切れの車で交通事故を起こした上に、救護義務違反や酒酔い運転などの悪質な条件が重なれば、警察に逮捕される可能性があります。

 

車検切れの状態では名義変更ができない

車検切れの状態のまま車の名義変更はできません。車検切れの車を他人に譲る際や他人から譲られる際には、必ず元の所有者が車検を通してから名義変更手続きを行うようにしましょう。

 

車検の手続き自体は、元の所有者と新しい所有者のどちらが行っても構いません。

しかし、後になってからトラブルにならないよう、車検費用の負担に関して双方の納得できる話し合いをしておくことが大切です。

 

なお、軽自動車の場合には、車検が切れた状態のままでも名義変更が可能です。

 

車検満了日を確認する方法

車を所有している以上は、車検満了日が到来する前に車検を済ませておくことが大切です。定期的に車検満了日を確認し、適切な時期が来たら忘れずに車検を受けるようにしましょう。

 

車検満了日は次の2つで確認できます。

 

自動車検査証(車検証)

自動車検査証(車検証)に印字されている「有効期限が完了する日」を確認します。

多くの方は、自動車検査証を車のグローブボックスの中に保管しているようです。

検査標章(車検シール/車検ステッカー)

車のフロントガラスに貼付している検査標章(車検シール/車検ステッカー)を確認します。

フロントガラスの外側からは車検満了の「年月」しか確認できませんが、車内側からは「年月日」まで正確に確認できます。

車検切れの車で公道を走った際の罰則

車検切れの車を「所有」しているだけなら、特に罰則を科されることはありません。

ただし、車検切れの車で「公道を走行」した場合には、道路運送車両法違反として次の罰則を科されることになります。

 

  • 違反点数6点(前歴がない場合)
  • 免停日数30日間
  • 6か月以下の懲役、または30万円以下の罰金

 

なお、車検ではなく自賠責保険が切れた状態で公道を走行した場合も、以下のように重い罰則が科されることになります。

 

  • 違反点数6点(前歴がない場合)
  • 免停日数30日間
  • 1年以下の懲役、または50万円以下の罰金

 

更に、車検も自賠責保険も同時に切れている状態で公道を走行した場合には、次のような非常に重い罰則が科されることになります。

 

  • 違反点数6点(前歴がない場合)
  • 免許停止90日
  • 1年6ヵ月以下の懲役または80万円以下の罰金

 

一般的に車検の有効期限と自賠責保険の有効期限は近いため、車検切れの車は自賠責保険も同時に切れている可能性があります。

定期的に車検満了日を確認する際、あわせて自賠責保険の満了日も確認しておくようにしましょう。

 

一時抹消登録で廃車した場合の再車検について

車検切れの車の自動車税を止めるためには、陸運局で廃車手続きをしなければなりません。

 

廃車手続きには「永久抹消登録」と「一時抹消登録」の2種類があります。

一般的に永久抹消登録の場合には車をスクラップすることになるため、再度その車の車検を通すことはありません。

一方で一時抹消登録の場合には、再車検を通して陸運局で登録し直せば、ふたたびその車を運転できる状態になります。

 

以下、一時抹消登録を行った車の車検方法と車検費用について確認しておきましょう。

 

一時抹消登録を行った車の車検方法

一時抹消登録を行った車を陸運局で再登録し(中古新規登録)、積載車に車を積むなどして車検工場へ運んで車検を受ける流れとなります。

 

なお、車検には「新規検査」と「継続検査」の2種類がありますが、一時抹消登録を行った車は「新規検査」を受けることになります。

 

陸運局で再登録した車の車検費用

陸運局で再登録をした車は、実質的には「車検切れの車」と同じ状態ですので、車検費用の項目も「車検切れの車」と同じです。

 

法定費用の目安は、例えば普通自動車の自賠責保険料が24か月加入で22,470円。法定費用に加えて、点検・整備費用や車の移動費用などもかかります。

 

自動車重量税は、車両の重量・経過年数・エコカー区分などによって異なります。

手数料は小型自動車が1,700円で、その他の自動車が1,800円です。

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