車検切れした車であっても、そのまま何の手続きもせずに放置している状態ですと、いつまでも自動車税(自動車税種別割)がかかり続けます。乗る予定がないのなら、早めに廃車手続きをして税金がかからないようにしたほうが良いでしょう。
ここでは、自動車の廃車手続きの流れ、廃車にかかる費用、廃車手続きに必要な書類等についてくわしく解説しています。
目次
廃車手続き(永久抹消登録)の大きな流れ
廃車手続き(永久抹消登録)の大きな流れを確認してみましょう。
1.車をスクラップする
一般的に、自動車を廃車にする場合には、解体業者に依頼して自動車をスクラップしてもらう必要があります。
ただし、廃車後も鑑賞用などとして私有地に自動車を保管しておきたい場合には、廃車手続きの際に「滅失・用途廃止」を選択すれば、スクラップする必要ありません。
2.廃車手続きに必要な書類等を用意する
自動車をスクラップした後、廃車手続きに必要な書類を用意します。
必要な書類等についての詳細は後述します。
3.陸運局(陸運支局自動車検査登録事務所)に書類を提出する
廃車手続きに必要な書類等を持参し、現住所を管轄する陸運局(陸運支局自動車検査登録事務所)で廃車手続きをします。
同時に、陸運局内で税金の還付手続きを行うことも忘れないようにしましょう。
廃車にかかる費用
廃車にかかる費用の目安を確認してみましょう。
廃車手続き自体にはさほど費用がかかりませんが、自動車を物理的に処分(スクラップ)する場合には数万円の費用がかかります。
廃車手続きにかかる費用
廃車手続きにかかる費用は次の通りです。
- 印鑑証明書…300円程度
- 住民票(車検証情報から1回だけ住所変更があった場合)…300円程度
- 戸籍附票(車検証情報から2回以上の住所変更があった場合)…300円程度
- 戸籍謄本(車検証情報から氏名変更があった場合)…500円程度
他、車検証を紛失したなどの場合を除き、特別にかかる費用はありません。
自動車をスクラップする際にかかる費用
廃車にともなって自動車をスクラップする場合には、次のような費用がかかります。
- スクラップ代…20,000~30,000円程度
- 自動車を解体業者まで移動させる費用(キャリアカーの場合)…20,000~30,000円程度
- 自動車を解体業者まで移動させる費用(仮ナンバーの場合)…750円程度
- リサイクル費用…8,000~20,000円程度(リサイクル券発行済みの場合は不要)
車検切れの自動車で公道を走行できないため、解体業者まで自動車を移動させるための費用がかかることを覚えておきましょう。
廃車手続き(永久抹消登録)に必要なもの
廃車手続き(永久抹消登録)に必要な書類等は以下の通りです。
- 印鑑証明書
- 実印
- 身分証明書
- 車検証(自動車検査証)
- ナンバープレート2枚(前後)
- リサイクル券の移動報告番号の控え
- 解体証明の解体報告記録日の控え(解体業者から通知あり)
- 使用済自動車引取証明書(解体業者から通知あり)
- 永久抹消登録申請書(陸運局で入手)
- 自動車税・自動車取得税申告書(陸運局隣接の税事務所で入手)
- 手数料納付書(手数料自体は無料/陸運局で入手)
車検証に記載されている情報から住所変更や氏名変更があった場合、代理申請を行う場合、所有者名義がローン会社の場合などについては、別途で書類が必要となります。
詳細は管轄の陸運局にご確認ください。
廃車と自賠責保険との関係
廃車と自賠責保険の関係について確認してみましょう。
自賠責保険の有効期限が切れた自動車は公道を走れない
自動車で公道を走行する場合には、車検と自賠責保険の両方が有効期限内でなければなりません。
車検は有効期限内であっても、自賠責保険が切れていれば自動車で公道を走行できないことを、改めて理解しておきましょう。
廃車手続き後に自賠責保険を解約すると解約返戻金が支払われる
廃車手続きした際、まだ自賠責保険が有効期限内であれば、残りの保険期間の月数に応じた解約返戻金が支払われます。
ただし、廃車手続きをすれば自動的に自賠責保険が解約されるわけではない点に注意が必要です。
自賠責保険の解約返戻金を受け取るためには、廃車手続きの際に交付された登録事項等証明書を提示した上で、保険会社で自賠責保険の解約手続きをする必要があります。
なお、自賠責保険の解約手続きは、保険会社の窓口または保険会社との郵送のやり取りで行うことができます。
廃車にできないケース
廃車にしたくてもできない主な2つのケースを見てみましょう。
ローンが残っている他人名義の自動車は廃車にできない
車検が切れているか切れていないかにかかわらず、ローンの残債が残っている他人名義の自動車については、自分の意志だけで廃車にはできません。
ローンで購入した自動車は、ローンが完済されて所有権が自分に移動するまでの間、ディーラーやローン会社が所有者となっているのが一般的です。
所有者の同意なくして自動車を廃車にはできません。
車検切れの自動車を移動させる手段がなければ廃車にできない
永久抹消登録には自動車の解体をともなうことがありますが、車検切れの自動車は公道を走行できないため、その自動車を運転して解体業者まで移動させることができません。
車検切れの自動車を解体業者まで移動させるためには、市区町村で仮ナンバーを取得したり、業者にキャリアカーでの運搬を依頼したりなど、特別な手続きが必要となります。
廃車には永久抹消登録と一時抹消登録の2種類がある
廃車の方法には、永久抹消登録と一時抹消登録の2種類があります。廃車の目的に応じ、適切な手続きを取りましょう。
永久抹消登録とは
永久抹消登録とは、永久に乗る予定のない自動車を廃車にする手続きです。
永久に乗る予定がない自動車である以上、一般的には解体業者によるスクラップを行うことになります。
一時抹消登録とは
一時抹消登録とは、将来的に再び乗る可能性のある自動車について、一時的に車籍を停止する手続きです。長期海外赴任が決まった際、帰国するまでの間だけ一時抹消登録にする、などの例です。
再び乗る予定がある以上、その自動車をスクラップすることはありません。
抹消登録を行うなら4月になる前がオススメ
自動車を所有している場合、1年に1回、自動車税(自動車税種別割)の納税通知書が届きます。毎年4月現在に自動車を所有している人に届く通知書で、この通知書が届いた人は1年分の自動車税を一括で納めます。
もし廃車手続きをした月が3月中の場合、4月時点ではその自動車を所有していない状態となるため、翌年度分の自動車税の納付書は届きません。
一方で4月に入ってから廃車手続きをした場合、1年分の自動車税の納付書が届きます。
後者の場合、税金の還付手続きをすれば月割計算で還付金が振り込まれますが、手続きをする手間がかかることを承知しておかなければなりません。
3月中に抹消登録しても問題のない自動車であれば、還付手続きの手間がかからないよう、3月中に手続きをするようオススメします。
軽自動車の廃車手続きについて
軽自動車の廃車手続きには複数ありますが、大半は「解体返納」という手続きで廃車を行います。解体返納とは、普通自動車で言う永久抹消登録を同じ目的の手続きです。
なお、軽自動車の車籍を一時的に停止する手続きは、「一時使用中止」という手続きをすることになります。普通自動車で言う一時抹消登録に当たる手続きです。
車検切れと税金の関係について
車検切れと税金の関係について、以下のポイントを覚えておきましょう。
抹消登録手続きだけでは自動車税(自動車税種別割)を止められない
永久抹消登録屋一時抹消登録で廃車手続きをしたとしても、それだけで自動車税(自動車税種別割)の課税は止まりません。廃車手続きをすると同時に、陸運局の同じ敷地内にある自動車税事務所の窓口に行きましょう。
「税止め」の手続きをしなければ、いつまでも自動車税が課税されることになるので、手続きを忘れないようにしましょう。
車検切れ後に自動車税納税通知書が届かなくなる都道府県もある
自動車税の課税保留制度を設けている都道府県においては、車検切れの自動車に対する自動車税納税通知書が届きません。
自動車税の課税保留制度とは、「車検切れなのでその自動車は利用されていない」と都道府県が判断し、自動車税の課税を一時的に保留する制度です。
ただし、あくまでも課税を「保留」しているだけであり、納税義務が消滅するわけではない点に注意が必要です。
車検切れの自動車に自動車重量税はかからない
自動車を所有して公道を走行する場合には、自動車重量税を納付しなければなりません。自動車重量税とは、車検を受ける際に納付義務が生じる法定費用の1つです。
車検切れの自動車は、車検を受けていないため自動車重量税が課税されません。
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