車検切れの車は公道を走ることができません。
そのため、再車検などの理由で車を移動させる必要がある場合には、何らかの特別な方法を考える必要があります。
多くの方が思いつく方法は、車のレッカー移動でしょう。
しかし、車検切れの車をレッカー移動することは、基本的にできません。
ここでは、車検切れの車をレッカー移動できない理由、および車検切れの車を合法的に移動させる方法について詳しく解説します。
目次
そもそもレッカー移動とは?
レッカー移動とは、レッカー車によって車を別の場所へ移動させることを言います。
走行中に車が故障した場合や事故などで走行不能になった場合などにおいて、対象の不動車を修理工場などへ移動させる際にレッカー移動が行われます。
1台のレッカー車がレッカー移動できる車の数は、基本的に1台のみ。
前輪のみ、または後輪のみを持ち上げて固定し、けん引しながら車を移動させます。
車検切れの車をレッカー移動できない理由
車検切れの車をレッカー移動することは、法的に問題ありと解釈できる余地があるため、業者に依頼しても断られる可能性が高いでしょう。
先に説明した通り、レッカー移動では、前輪か後輪のみを持ち上げて、けん引する形で車を移動させます。
この場合、持ち上げられていないほうのタイヤは、公道に接地している状態となります。
片方のタイヤのみとは言え、公道を走ることが禁じられている車が公道を走行している状態となることから、道路運送車両法違反に問われる可能性があるとの解釈です。
車検切れの車を合法的に移動させる方法
レッカー車ではなく、車を丸ごと乗せて運ぶ積載車(キャリアカー)であれば、法的に問題なく車を移動させることができます。
また、市区町村で仮ナンバーを取得すれば、自分で公道を運転して車を移動させることができます。
車検切れの車を車検工場まで運ぶことを想定し、それぞれの方法を詳しく見てみましょう。
積載車(キャリアカー)に車を運んでもらう
積載車(キャリアカー)とは、車を乗せて運ぶための車を言います。
新車や中古車、事故車などを乗せて走行している積載車を公道で目にしたことがある、という方も多いことでしょう。
積載車での車の移送を業者に依頼する場合の料金は、業者の料金システムや移送距離、運ぶ車の種類などによって異なりますが、1台あたりの料金相場は概ね次の通りです。
- 隣接県:約24,000円
- 東京・名古屋間:約35,000円
- 東京・大阪間:約40,000円
- 東京・福岡間:約57,000円
これら料金相場から考えた場合、例えば近隣の車検工場までの移送であれば、料金は15,000円前後になると考えられます。
なお、積載車の料金は、移動距離以外にも様々な要因(車高の高さ・不動車・移送時間帯・祝祭日など)によって変動します。
依頼する場合には、事前に見積もりを取るようにしましょう。
積載車をレンタルして自分で車を運ぶ
業者に積載車を手配せずとも、自分で積載車をレンタルして車を運ぶという方法があります。
車検切れの車のタイヤが公道に触れないよう、私有地で車を積載車へと積み上げましょう。
なお、積載車を運転するためには、最低でも準中型免許が必要です。
平成19年6月1日までに普通自動車免許を取得した方は、現在「中型免許」に変更されているため積載車を運転できますが、平成19年6月2日以降に普通自動車免許を取得した方は積載車を運転できません。
某大手レンタカー会社の料金表によると、積載車のレンタル料金は次の通りです。
- 10時間まで:20,350~25,850円
- 24時間:27,500~33,000円
- 追加1時間につき:3,300~4,400円
レンタカーなので、使用後は自費でガソリンを満タンにして返却します。
仮ナンバーを取得して自分で車を移動させる
積載車を利用する以外の方法として、仮ナンバーを取得して自分で車を移動させる方法があります。
以下、仮ナンバーについて詳しく確認してみましょう。
仮ナンバーとは?
仮ナンバーとは、車検切れの車でも公道の走行を認める特殊なナンバーのこと。
市区町村の窓口に必要書類を提出し、既存のナンバーを仮ナンバーに差し替えて車を運転します。
赤の斜線が入った独特のナンバーですが、公道で見かけたことがあるという方も多いのではないでしょうか?
仮ナンバーの申請に必要な書類
仮ナンバーの申請に必要な書類は次の通りです。
- 自動車検査証(車検証)
- 運転免許証
- 自賠責保険証の原本(仮ナンバーの取得から1か月以上有効なもの)
- 認印
これらの書類の他、手数料が750円ほどかかります(金額は市区町村によって異なることがあります)。
申請する窓口は、車の保管場所の市区町村か車検工場がある地区町村、また、その間にある市区町村のいずれでも構いません。
なお、提出書類をご覧いただいて分かると思いますが、仮ナンバーの申請は自賠責保険の加入が前提となっています。
車検切れの車は自賠責保険も切れていることが多くあります。
もし自賠責保険が切れていた場合には、先に自賠責加入の手続きを済ませてから仮ナンバーの申請手続きを行う必要があります。
仮ナンバーで公道を自走する際の注意点
窓口で申告したルート以外に走行できない
仮ナンバーを装着した車は、市区町村窓口で申告したルート以外は走行できません。
渋滞などを理由に迂回もできなければ、軽食を摂る目的で喫茶店に立ち寄ることもできません。
仮ナンバーには有効期限がある
多くの市区町村では、仮ナンバーの有効期限を5日間と設定しています。
この5日間には土日祝日も含まれます。
車検工場の休業日なども考慮しながら、計画的に車を車検工場へ運ぶようにしましょう。
臨時運行許可証を常にダッシュボードの上に置いておく
仮ナンバーとあわせて臨時運行許可証が交付されますが、仮ナンバーを装着した車は、この臨時運行許可証が外側から視認できる位置に置かなければなりません。
グローブボックスなどにしまわず、ダッシュボードの上に置いておくようにしましょう。
任意保険の更新ができない
車検切れの車は、任意保険も切れていることもあります。もし任意保険の契約期間が切れていた場合には注意が必要です。
車検が切れている場合には、任意保険の更新も新規契約もできません。
つまり車検切れで仮ナンバーを装着して走行する場合で、任意保険の契約期間も切れてしまっている場合、任意保険は無い状態になりますので、自賠責保険の範囲を超える損害については、自己負担になってしまいます。
車検切れの場合には、走行中の車のトラブルから事故につながるケースも起こりやすくなりますので、自走で動かさずに積載車で運ぶことをお勧めします。
依頼した業者が仮ナンバーを取得して引き取りに来る場合の任意保険については、業者が専用の保険に入っているはずですのでお客様側で心配する必要はございません。
さくら車検なら、車検切れでも無料で出張
車検切れでもご安心ください。さくら車検なら追加費用は不要です。無料でご自宅まで引き取りに伺い、車検の再取得まで行います。
面倒な仮ナンバーの手配などもお客様にしていただく必要はありません。
万一、故障などで自走できないお車の場合には、積載車(有料)で引き取りに伺います。
次のクイック見積もりでお車の車検費用の目安を知ることができます。