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車検切れの車は任意保険の継続ができない
車検切れの車であっても、任意保険の有効期限が残っている場合には、その有効期限内に限り補償を受けることができます(補償範囲の詳細は後述)。ただし、その有効期限を過ぎてしまうと、基本的には車検を受けない限り任意保険の継続契約ができません。引き続き任意保険を継続させたいならば、まずは車検を受けるしかありません。
ただし、ここで注意したい点が一つあります。それは、任意保険の継続手続きをするタイミングです。
任意保険の有効期限が過ぎた場合、原則として任意保険が切れた日から7日以内に継続手続きを行わなければ、それまでの等級が引き継がれません。長年かけてステップアップさせてきた等級なので、失うことのないよう速やかに任意保険の継続手続きを済ませたいものです。
ただし、何らかの理由があって任意保険の契約時期を先延ばししたい場合には、加入中の自動車保険会社から「中断証明書」を発行してもらうことにより、最長10年にわたって等級を維持できます。「中断証明書」の発行から10年以内に任意保険の継続手続きをすれば、以前の等級に該当する保険料で契約を再スタートさせられる、という仕組みです。
中断証明書を発行してもらうための条件
自動車保険会社から「中断証明書」を発行してもらうためには、主に次のような条件を満たしている必要があります。
- 車検が切れている、または一時抹消登録をしている場合
- 廃車や譲渡などで車を手放す場合
- 保険に再加入する時の等級が7級以上の場合
- 観光以外で海外に長期滞在する場合
- 車が盗難にあった場合
他にも異なる条件が設定されていることがあるので、詳細は加入中の自動車保険会社まで問い合わせてみましょう。なお、「中断証明書」の発行手数料は無料となっています。
任意保険よりも自賠責保険の加入が先
ところで、任意保険は、その名の通り加入は「任意」。入るか入らないかは、車の所有者の自由です。一方で自賠責保険は、加入が「義務」。法律によって、車を所有する人は必ず自賠責保険に加入しなければならないとされているため、任意保険の加入や継続を検討する以前に、まずは自賠責保険の加入を済ませておかなければなりません。
もし自賠責保険が切れている状態で公道を走行すると、自動車賠償責任法の無保険運行に該当し、以下のようなペナルティが科されることになります。
【行政処分】
- 違反点数6点(前歴がない場合)
- 免許停止30日
【刑事処分】
- 1年以下の懲役または50万円以下の罰金
また、自賠責保険の有効期限と車検の有効期限はほぼ一致している傾向があります。そのため、自賠責保険切れの車は、同時に車検切れになっている可能性がある点に注意が必要です。
もし、自賠責保険と車検の両方が切れた車で公道を走行した場合には、自動車賠償責任法の無保険運行に加えて道路運送車両法の無車検運行にも該当し、更に重い次のようなペナルティが科されることになります。
【行政処分】
- 違反点数6点(前歴がない場合)
- 90日間の免許停止
【刑事処分】
- 1年半以下の懲役または80万円以下の罰金
車検切れの車で任意保険を継続できるかどうかを調べる前に、目の前にある車検切れの車の自賠責保険が切れていないかどうかを調べる必要があります。
任意保険の種類
補償の対象を基準にした場合、任意保険は大きく「賠償責任保険」「障害保険」「車両保険」の3種類に分類されます。それぞれの内容を確認してみましょう。
賠償責任保険
交通事故の相手方がいる場合、その相手方に与えた損害を補償する保険です。具体的には次の2つの保険があります。
対人賠償保険
相手方を死亡または負傷させた際に、自賠責保険の限度額を超える部分について補償される保険です。
対物賠償保険
相手方の車や建物などに物的損害を与えた際に、その損害額が補償される保険です。
傷害保険
交通事故によって自分側が負傷・死亡した場合に備える保険です。具体的には次の4つの保険があります。
人身傷害保険
交通事故で自分が負傷・死亡した際に補償額が支払われる保険です。自分に過失のある交通事故でも保険金が支払われます。
搭乗者傷害保険
交通事故を起こした際、同乗者等が負傷・死亡した際に補償額が支払われる保険です。
自損事故保険
自損事故で自分が死亡・負傷した際に補償額が支払われる保険です。
無保険車傷害保険
加害者のいる交通事故によって自分が死亡・負傷した際、加害者が対人賠償保険に加入していない場合(または補償が不十分な場合)に、自分に対して補償額が支払われる保険です。
車両保険
偶然の事故等によって自分の車に損害が生じた際、その損害を補償する保険です。
自賠責が切れていた時の任意保険の補償範囲
自賠責が切れていたものの任意保険が有効期限内だった場合、自賠責保険からの補償はありませんが、任意保険からの補償はあります。
ただし、自賠責保険は加入が義務となっているため、自賠責切れは車の所有者の法律違反です。この法律違反を犯した部分までを任意保険は補償することができないため、任意保険の補償範囲は「自賠責保険で補償されるはずだった上限額を超える部分」に限定されるのが一般的です。具体的には、自賠責保険が補償する次の上限額を超える部分のみ、任意保険が補償します。
- 被害者1名の死亡・後遺障害につき3000万円(常時介護が必要な後遺障害の場合は4000万円)
- 被害者1名の傷害につき120万円
仮に「自賠責切れ+任意保険加入中」の状態で事故を起こし、相手方を死亡させてしまった場合には、自賠責保険の補償上限額である3000万円は自腹で用意しなければなりません。任意保険の補償は、3000万円を超える部分のみとなります。
なお、交通事故によって自分側に生じた傷害等については、自賠責保険では補償していませんが任意保険では補償される形となります(人身傷害補償を付帯させている場合)。
自賠責保険切れや車検切れの車が事故を起こした場合の任意保険の補償内容については、保険商品によって異なります。中には「自賠責切れや車検切れの車が事故を起こした場合には一切補償しない」と規定している自動車保険もあります。
任意保険の補償内容を詳しく知りたい方は、改めて保険証券をよく確認してみるようにしましょう。
車検が切れた時にやるべきこと
車検が切れたことを知った際にやるべきことは、「車検を受ける」「買取業者に売却する」「廃車にする」のいずれかになります。
車検を受ける
車検切れの車で公道を走行することはできません。自分で運転して車を車検工場へ運ぶ場合には、事前に市区町村の窓口で仮ナンバー(臨時運行許可証)を取得する必要があります。ただし、仮ナンバーは自賠責保険に加入していなければ取得できないため、もし自賠責保険が切れていた場合には、事前に自動車保険会社等で自賠責保険に加入しておく必要があります。
車検工場に車を自走して運ぶ手間や時間を省きたい方は、車検工場、車検代行業者などに車の移送を依頼します。ただし、車検工場に移送を依頼した場合、一般的には数万円の移送料がかかる点を了承しておきましょう。
また、業者にもよっては移送料も納車料も無料で対応している場合があります。業者の特徴をよく比較の上、よりお得な業者を見つけると良いでしょう。
中古車買取業者に売却する
今後利用する予定のない車であれば、中古車買い取り業者に車を売却するという選択肢もあります。中古車買取業者の中には、無車検車や無保険車、故障車、不動車でも買い取りしているところがあるので、「こんな車は売れないだろう」と自己判断するのではなく、複数の中古車買取業者に相見積もりを依頼してみたほうが良いでしょう。
仮に買取価格が「0円」だったとしても、廃車に伴う解体費用を節約することができる分、お得と考えることができます。
廃車にする
廃車の方法には、「一時抹消登録」と「永久抹消登録」の2種類があります。いずれも運輸支局などに赴き、必要書類を揃えて手続きを行います。
一時抹消登録
海外赴任などの都合で長期的にその車を利用する予定がない場合に、一時的に廃車とするのが一時抹消登録です。再び車を使う時期が来た際に、改めて登録手続きを行います。
永久抹消登録
永久にその車を利用する予定がない場合には、車を解体した上で永久抹消登録を行います。
さくら車検なら、車検切れでも無料で出張
車検切れでもご安心ください。さくら車検なら追加費用は不要です。無料でご自宅まで引き取りに伺い、車検の再取得まで行います。
面倒な仮ナンバーの手配などもお客様にしていただく必要はありません。
万一、故障などで自走できないお車の場合には、積載車(有料)で引き取りに伺います。
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